製造業

インド政府の強いリーダーシップ推進、Make in India!

新自動車排ガス規制4月1日から適用開始!

桝谷 長男
桝谷 長男
2017/3/31

この2017年4月1日からインド国内で販売されるすべての車両は、環境規制であるBharat Stage(BS)IV基準に適合しなければならない。各自動車メーカーはBS-IV基準に適合したエンジンを搭載するよう準備を進めている。しかしここで問題となるのが、BS-Ⅲ基準に適合したエンジンを搭載した在庫として存在する車両を4月1日以降も販売できるかということだ。

インド自動車工業会(SIAM)によれば、3月31日時点で乗用車で25,000台、商用車で75,000台、3輪車で45,000台、2輪で750,000台が在庫としてメーカーまたは販売店に残ると予測している。これらの台数は乗用車では1週間、商用車で6週間、2,3輪車で6週間程度にあたる。

BS基準は2000年から適用され、これまで徐々にその基準を高くし、環境に対する要請をより厳しくしてきた。これまでは道路高速道路省は基準適用前の在庫については新基準適用後も販売を認めてきたが、今回はこの点について一切の方針を示していない。そのため、各メーカーに混乱を生じさせており、最高裁は新基準であるBS-IVに適合しない車両は4月1日以降は登録できない旨を発表している。

この4月1日が期限ということは2年前に定められており、メーカー側には十分すぎるほどの時間はあったことは確かである。実際2010年4月から13都市では先行してBS-IV基準が適用されてきており、マルチスズキ、ヒュンダイ、ホンダはこれら都市では先行してBS-IV適合の車両を販売している。これらの都市でインド全土の乗用車の売り上げのうちおよそ50%を占める。

SIAMのトップであるVishnu Mathur氏によれば「新基準適用を延期してほしいということを要求しているのではない。すでに新基準に適用する準備はできているからだ。ただ単に4月1日以前に在庫として残っている車両については販売をさせてほしいだけだ」と話している。3月20日にインド政府と関係者が本件についての会議を持つ予定となっている。

BS-IVに適合した車両は価格の上昇が見込まれており、これにより販売への影響はあるか懸念されるところであるが、業界専門家によれば、商用車、2輪3輪車は乗用車に比べて非常に価格に敏感であり一定程度の影響はあるだろう。ただし、特にデリー首都圏での環境汚染度合は世界一のレベルであり、厳格な環境基準を適用することは避けられない流れである。Nitin Gadkari大臣もBS-V基準をスキップして2020年からBS-VI基準の適用を進めていく方針を打ち出している。

デリーの環境汚染は著しくとにかくひどい。過去に経済成長を最優先し、環境対策を二の次にしてきた中国とは大きく異なり、経済と地球環境を両立させる姿勢は素晴らしい。中国の経済成長が減速する中で、インドは新興国の中で最も高い成長を遂げている国の一つである。さらに今後人口ボーナス期を迎え、国連の推計によれば2022年には人口ベースでも中国を抜くことが予想されている。そんな将来の世界の大国予備軍であるインドが、環境について真剣に考えている姿勢が、アフリカなど発展途上国へもその想いがつながることが理想である。